「稲田神社」と「笹宮」:出雲神話の聖地巡りへ
神話のふるさととして有名な島根県奥出雲。
古事記に登場する「出雲神話」ではヤマタノオロチ伝説が全国的に有名で、そのゆかりの地として島根県奥出雲は注目の観光スポットになっています。
今回は、ヤマタノオロチ神話でも名高い由緒ある神社「稲田神社」と「笹宮」についてご紹介します。
ぜひ、奥出雲を訪れる際の参考にしてみてください。
クシナダヒメを祀る稲田神社とは
稲田神社は、ヤマタノオロチ退治に登場するクシナダヒメの生まれた地とされる稲田に建つ神社です。
神社には、ヤマタノオロチ退治の末スサノオノミコトの正妻になったクシナダヒメ(稲田姫)が祀られています。
稲田神社の起源は不詳ですが、起源を示す最古の年号は元禄15年です。
現在の社殿は、昭和13年に小林徳一さんによって寄進されたもの。
出雲大社を思わせるような太い注連縄が目を引く稲田神社は、力強い社殿にも見ごたえがあります。
オリジナルの絵馬は、「良縁と幸せを呼ぶ櫛絵馬」というくし形のもの。
イナタヒメのデザインがあしらわれており、ヤマタノオロチ伝説が記載されています。
稲田神社を訪れた際はぜひくし形の絵馬に願いを込めてみてはいかがでしょうか。
また、参道の寒緋桜も有名で、見頃の時期にはたくさんの花見客が訪れます。
境内(稲田神社社務所内)には、地元奥出雲産のそばが食べられる蕎麦屋さんがあるので、参
拝したあとの食事にもおすすめ。
稲田神社の庭を眺めながら、在来種・横田小そばを食べることが出来ますよ。
産湯の池
イナタヒメを産み落とし、産湯として使ったとする「産湯の地」として地元の人たちによって大切にされています。
テナヅチが産湯の池を産湯として使ってクシナダヒメを産み、アシナヅチが近くにあった竹でへらをつくりへその緒を切ったといわれています。
産湯の池は稲田神社から徒歩約10分ほどの場所にあり石碑が立っているので、神話を巡る観光地を巡ってみるのもおすすめです。
ミステリーな神社 笹宮とは
笹宮は、イナタヒメ生誕の地に立つ「稲田神社」のすぐそばにある奥出雲のミステリースポット。
稲田神社から徒歩約5分ほどの田園風景の中、ぽつんと佇む笹の森が「笹宮」です。
近寄ってみると「笹の宮」と書かれた立札があります。
神話では、テナヅチが産湯の池のほとりでイナタヒメを産み落としたとき、アシナヅチは竹のへらでへその緒を切りました。
この竹べらを逆さに挿しておいたところ、そこから芽が出て繁茂したと伝えられています。
以来、この竹べらから生えた笹をご神体として祀るようになり、この笹は安産のお守りとして妊婦に配られ大切にされていたという歴史があります。
現在はそのような風習はなくなってしまいましたが、平成天皇の母がご懐妊された際に、この笹を安産守りとして皇室に献納したそうです。
神話に登場するクシナダヒメとは?
神話に登場するクシナダヒメとは、どのような存在なのでしょうか。
ヤマタノオロチ伝承で、スサノオがヤマタノオロチから救うことを条件に妻に迎えられた女神です。
古事記では「櫛名田比売(クシナダヒメ)」、日本書紀では「奇稲田姫(クシイナタヒメ)」という名称で記されています。
クシナダヒメはアシナヅチ・テナヅチの8人の娘の中で最後に残った娘で、ヤマタノオロチの生贄にされそうになったところを、寸前でスサノオノミコトに助けられました。
スサノオ尊が歌ったとされる日本最古の和歌に妻として記されています。
クシナダヒメのご利益は、縁結び、稲作守護、夫婦和合など様々。
守ってくれる人に出会うご利益で人気があります。
稲田の神として衣食住守護、厄除け開運などのご利益も備えています。
日本神話を代表する怪物・ヤマタノオロチ
出雲神話でよく登場する「ヤマタノオロチ」とは一体なんなのか気になりますね。
ヤマタノオロチは8つの頭に8本の尾があり、赤い目と血まみれの腹という姿で8つの山と8つの谷をも凌ぐ大きさだと言われています。
現在の出雲市・斐伊川付近に住んでいたとされ、人間を生贄として喰らっていたとされています。
スサノオノミコトに酒に弱いという弱点を見抜かれてしまい、酒を罠におびき出されて首を切り落とされて退治されました。この時ヤマタノオロチの尾からでたのが
三種の神器に数えられる「天叢雲剣(あめのむらくも)」と言われています。
神話から見える歴史
怪物として知られているヤマタノオロチですが、実は水をつかさどる水の神とされていました。
古くより斐伊川は何度も洪水を起こしていたと言われています。農業において甚大な被害を与える洪水ですが一方で肥えた土地を生み出していたとされています。
このことから古くから氾濫・洪水を起こしていた斐伊川をヤマタノオロチとして表しているのではないかと言われています。
またクシナダヒメは農業・田の神とされておりヤマタノオロチとクシナダヒメには深い関係があることが分かりますね。
稲田神社 基本情報
◆住所 | 〒699-1821 仁多郡奥出雲町稲原2128-1 |
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◆交通アクセス | JR出雲横田駅から車で約5分 |
◆お問い合わせ先 | 奥出雲町観光協会 TEL:0854-54-2260 |
稲田神社の口コミ情報
口コミ①
神紋の二重亀甲に姫マークが、この神社の御祭神がどのようなお方なのかを物語っています。
本殿、拝殿共に、とても立派です。
社務所兼お蕎麦屋の庭先にある素戔嗚尊と稲田姫と思しき像は愛嬌があります。
引用元:https://g.co/kgs/wCgqz28
口コミ②
稲田神社は、八岐大蛇退治に登場するスサノオノミコトの妻「イナタヒメ(クシナダヒメ)」の生誕之
地とされる稲田地区に建つ神社です。
神社の周辺には、稲田姫の生まれた時に使われた「産湯の池」や、へその緒を竹で切ったと伝え
られる「笹の宮」が今もなお奉られています。
ヤマタノオロチ神話を巡る名所として多くの人が訪れる場所でもあります。境内にはそば屋さんも
あります。
引用元:https://g.co/kgs/w4xfweu
口コミ③
稲田神社の本殿も素敵ですが、少し足を伸ばして「産湯の池」もオススメです。
駐車場はないので、下の駐車場から歩いて行くのが良いと思います。
稲田愛護神社もお忘れなく〜。
引用元:https://g.co/kgs/7qfHbPT
稲田神社周辺の観光スポット
稲田神社の観光を楽しんだあとは、周辺の観光地も併せて訪れるのがおすすめ。
自然たっぷりの奥出雲はマイカーや、レンタカーでゆっくりとドライブしながら散策するのが便利です。
ここでは、稲田神社の周辺の観光スポットについてご紹介しますので、参考にしてみてくださいね。
金言寺
金言寺は、樹齢722年の大イチョウが有名なお寺で、趣あるかやぶき屋根のたたずまいと水面に
映る美しい大イチョウの風景から、島根県奥出雲の憩いの場所として古くから愛されてきたお寺
です。
緑豊かな周辺の雰囲気も含めて心が安らぐような場所になっています。
なかでも金言寺の一番の見どころは、圧倒的な存在感を放つ大イチョウ。
樹高33m、伝説樹齢722年という黄金に輝く大イチョウは、美しい景観が認められて島根県景観
大賞を受賞しました。
金言寺と、そのシンボルツリーでもある大イチョウの樹は、自然と生命力やみなぎるパワーを感じ
られるようなパワースポットになっています。
◆住所 | 〒699-1941 仁多郡奥出雲町大馬木1060 |
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◆交通アクセス | 庄原ICまたは東城ICより車で約60分、高野ICより車で約60分、JR出雲三成駅より車で20分 |
◆駐車場 | 敷地内に20台(駐車料金500円) |
◆お問い合わせ先 | 奥出雲町観光協会 TEL:0854-54-2260 |
絲原記念館
絲原記念館は、約400年の歴史を持つ奥出雲の旧家であり、江戸時代から大正時代にかけてた
たら製鉄で栄えた「絲原家」の歴史と文化を紹介する記念館です。
白壁土蔵造りの記念館は、蔵を模した第一棟と第二棟からなり、絲原家が伝承してきた美術工
芸品や民俗資料、たたら製鉄にまつわる資料などが展示されています。
◆住所 | 島根県仁多郡奥出雲町大谷856 |
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◆開場時間 | 9時~17時(最終入館16時まで) |
◆料金 | 【共通券】 通常料金:大人 1,000円 大学生・高校生 700円 中学生・小学生 300円 冬季料金:大人800円 大学生・高校生 550円 中学生・小学生 250円 【記念館】 通常料金・冬季料金:大人 650円 大学生・高校生 450円 中学生・小学生 250円 【庭園・洗心乃路】 通常料金:大人 400円 大学生・高校生 300円 中学生・小学生 150円 冬季料金:大人 200円 大学生・高校生 150円 中学生・小学生 50円 ※入場料は「記念館」「庭園」「洗心乃路」の3か所一括徴収になります。 冬期間(12月1日~3月31日)は別途となります。 |
◆駐車場 | 乗用車80台、無料 |
◆お問い合わせ先 | 0854-52-0151 |
非乃上温泉 非乃上荘
大きな窓から奥出雲の自然を眺められる温泉。
PH9.9の高アルカリ性の泉質で、柔らかな肌触りのお湯を楽しめます。
土日限定で食べられる奥出雲蕎麦も人気で、これを目当てに通う常連さんもいるほど。
日帰り入浴とランチで奥出雲の魅力を満喫できます。
◆住所 | 島根県仁多郡奥出雲町竹崎1844 |
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◆営業時間 | 10時30分~17時 |
◆休業日 | 水曜・木曜・元旦 |
◆お問い合わせ先 | TEL:0854-52-0234 |
まとめ
島根県奥出雲にある由緒ある神社「稲田神社」と「笹宮」について詳しくご紹介しました。
神話の聖地島根県のヤマタノオロチ神話を巡る名所として有名で、全国からたくさんの観光客が
訪れる場所になっています。
稲田神社と笹宮は、ヤマタノオロチ伝説を語る上でなくてはならないスポットになっているので、
歴史と神話を感じる旅の目的地としてもおすすめです。
島根県奥出雲への旅行をお考えの方はぜひ、今回の記事を参考にしてみてください。