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やまたのおろち

スサノオの冒険とヤマタノオロチ伝説

日本神話である古事記のなかでも、もっとも恐ろしい怪物と言われているのが、出雲神話に登場する「八岐大蛇(ヤマタノオロチ)」です。
そんな怪物と戦ったのがスサノオという神様。
「なぜ神様が怪物と戦うことになったのか」「なぜ神話として今でも伝えられているのか」などの疑問を持っている方も、物語を読むことで紐解けるでしょう。
また、島根観光に出雲神話は欠かせません。ぜひ、一度チェックしてみてください。

ヤマタノオロチとスサノオの登場人物

やまたのおろち伝説登場人物
・須佐之男命(スサノオノミコト:スサノオ)
・奇稲田姫(クシナダヒメ)
・八岐大蛇(ヤマタノオロチ)
・足名椎(アシナヅチ)
・手名椎(テナヅチ)
・おまけ:大国主命(オオクニヌシノミコト)

スサノオのプロフィール

スサノオ
スサノオは、日本神話で天と地が開かれた「天地開闢(てんちかいびゃく)」のとき、伊邪那岐(イザナギ)の禊によって誕生した三貴神のひとり。
神話のなかでは重要な三人の神様であり、姉弟には天照大御神(アマテラスオオミカミ:以下、アマテラス)と月読尊(ツクヨミノミコト)がいる。
気が荒く、乱暴であるが、男気溢れる性格であり、神様のなかでも人間味溢れる個性的な性格の持ち主。
ヤマタノオロチとスサノオ神話
それでは、ヤマタノオロチとスサノオの神話を紹介します。
簡単なあらすじ:高天原から地上に降ろされたスサノオが、やまたのおろちを退治し、食べられる運命を背負ったクシナダヒメを救い結婚。草薙の剣を手に入れる話。

スサノオが地上に降ろされる

アマテラス
アマテラスを姉に持つスサノオは気性が荒く、乱暴であり、神様のなかでも人間味溢れる個性的な性格の持ち主です。
そんなスサノオは、神様が住む世界である高天原で乱暴をはたらき、アマテラスの岩戸隠れを招いてしまいました。
アマテラスはその名のとおり「天を照らす神」であり、岩戸に隠れてしまったことで世の中が真っ暗になってしまいます。
八百万(ヤオヨロズ)の神たちは、その罪を責めてスサノオを高天原から地上へ追放。
スサノオが地上に降りたことから、「ヤマタノオロチとスサノオ」の話がはじまります。
アシナヅチ・テナヅチ・クシナダヒメとの出会い
スサノオが地上へと追放され降りてきた地は、出雲国の鳥髪(現在の船通山)でした。
スサノオが「さあ、これからどうしよう」と川の流れを眺めていたとき、川上から箸が流れてきます。
スサノオは「川上に誰か住んでいるのかも」と考え、川の上流へ歩きはじめ、しばらくすると誰かがすすり泣く声が聞こえてきました。
声のするほうを見てみると、老人と老女、その間で美しい娘が悲しげに泣いています。
スサノオは「どうしたお前たち、何を泣いている」と優しく尋ねると、老人は涙をぬぐいながら、「私は国つ神、大山祇神(オオヤマツミノカミ)の子、足名椎(アシナヅチ)と申します。ここにおりますのは、妻の手名椎(テナヅチ)と娘の奇稲田姫(クシナダヒメ)でございます」と話しました。
スサノオはすかさず、「国つ神の子であるあなた方はなぜこんなにも、泣いているのだ」と問います。
その問いにアシナヅチは、「実は私たちの娘はもともと8人いました。しかし、高志国からヤマタノオロチという怪物が毎年やってきては、娘を1人ずつ食べてしまいました。今年もまたオロチの来る季節になり、たった1人残った娘まで食べられてしまうのかと思うと悲しくて泣いていたのでございます」
スサノオは続けて、「ヤマタノオロチとは一体、どんな怪物なんだ」と問います。
「はい、眼は真っ赤なホオズキのようで、一つの導体に八つの頭と尾をもつという大蛇でございます。全長は八つの谷にまたがるほどで、腹は常に血に濡れており、ただれているのです」アシナヅチはそう言うと、身体をブルッと震わせます。

ヤマタノオロチ退治を担うスサノオ

スサノオはアシナヅチの話を聞くなり、泣き続けるアシナヅチ一家の姿を見てしばらく考えました。
しばらくしてスサノオは、「その大蛇は私が退治してやる。その代わり、奇稲田姫を私にくれないか」と提案します。
これを聞いたアシナヅチは、「恐れ多いお言葉ではございますが、私どもはまだあなた様のお名前も存じ上げません。」と頭を下げます。
スサノオは、「そうだったな。私は天照大御神の弟の須佐之男命だ。今、高天原から下ってきたところなのだ。」これを聞くなりアシナヅチ、テナヅチ、クシナダヒメの3人はひれ伏し、「そのようなお方とは知らず、失礼致しました。娘は喜んで差し上げます。」とスサノオの提案に同意しました。

スサノオ VS ヤマタノオロチ

やまたのおろちVSスサノオノミコト
スサノオは「では、大蛇退治の準備を整えよう。まず、奇稲田姫は隠してしまわなければならない」と言い、クシナダヒメを清らかな櫛に変えて、自らの髪に差します。
そして、アシナヅチとテナヅチに以下のような指示を出します。
1、何度も醸した強いお酒を作りなさい
2、このあたりの垣根を張り巡らせて、八つの門を作りなさい
3、門のなかに酒樽を置いた台を設置して作った強い酒をいっぱいに満たしておきなさい
4、これらの準備ができたらどこかに隠れておきなさい
アシナヅチ夫婦は、スサノオの言葉に従いすべての準備を整え、ヤマタノオロチが来るのを待ちます。
やがてスサノオが物陰に隠れて待っていると、あたりの様子が一変します。
稲妻が光り、天地を揺るがすような音が聞こえたかと思うと、凄まじい形相のヤマタノオロチが現れました。
オロチの八つの頭は、地を這って何かを探しているようです。
真っ赤なホオズキのような眼をしたオロチは、アシナヅチらが用意した酒の匂いに惹かれて、八つの酒樽に八つの頭を差し入れて勢いよく酒を飲みはじめます。
強い酒はたちまち身体にまわって、オロチはそのまま倒れるようにして寝てしまいました。
スサノオは「今だ!」と言い放ち、腰に差していた剣を抜き、大蛇の身体を切り裂いていきます。
スサノオが真ん中の尾を切った際、「カチッ」と音がして、剣の刃が欠けてしまいました。
「どんなものでも切る剣の刃が、折れるはずがない」と不思議に思ったスサノオは、オロチの尾を切り裂いてみることに。
すると、中から見事な太刀が出てきました。
実に見事な太刀だったので、スサノオはこれをアマテラスに献上します。
これが後に大和朝廷に伝わり、天皇の即位時に使用される「三種の神器」のひとつの草薙剣です。
日本神話で登場した剣が、現在でも天皇が所有していることから、ヤマタノオロチとスサノオの神話は今でも語られています。
三種の神器

スサノオとクシナダヒメ

ヤマタノオロチを無事に退治して、クシナダヒメと結ばれたスサノオは二人の宮を作るため出雲国を探し歩きます。
二人は出雲国で空が輝き、風が爽やかな気持ちの良い場所を見つけました。
スサノオは、ここにクシナダヒメとの新たな住まいを作り、二人は幸せに暮らしました。
スサノオの六代(または七代)後の子孫には、後の神話に登場する、出雲大社の主祭神である大国主命(オオクニヌシノミコト)が誕生します。
※「日本書紀」では、スサノオとクシナダヒメの間に生まれた子どもがオオクニヌシノミコトとされています。

観光にぴったりの出雲大社とその周辺スポットをご案内

ヤマタノオロチとスサノオに登場する出雲の国

須佐神社
島根県出雲の地を舞台にした「ヤマタノオロチとスサノオ神話」に出てくる土地は、今でも存在します。
草薙の剣とともに、神話にゆかりのある土地や建物が現在も残っていることも、ヤマタノオロチとスサノオの神話が親しまれている理由ではないでしょうか。
島根県出雲の地に足を運んだ際は、ぜひ「ヤマタノオロチとスサノオの神話」で出てきた土地巡りをしてみてはいかがでしょうか。
・島根県奥出雲町「船通山」:スサノオが最初に降り立った場所である出雲国の鳥髪
・島根県奥出雲町「斐伊川」:スサノオが降り立って眺めていた川
・島根県雲南市「須賀神社」:スサノオと奇稲田姫の新居
・島根県仁多郡奥出雲町「稲田神社」:奇稲田姫生誕の地
・島根県出雲市佐田町須佐「須佐神社」:スサノオ、奇稲田姫、足名椎、手名椎が祀られる地

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