神楽の宿で神話の世界を堪能、出雲神楽を今に伝える
神話の里として知られる出雲地方。「神楽の宿」は、そんな出雲地方に伝わる「出雲神楽」の保全などを目的として運営されている施設です。出雲神楽が舞われていたとされる茅葺屋根の民家を再現し、神楽の練習や上演などが行われています。ここでは、神楽の宿の基本情報や、周辺の観光情報などを詳しくご紹介します。雲南市を訪れる際には、ぜひ参考にしてみてください。
伝統を受け継ぐ建物、神楽の宿
「神楽の宿」は、古くから出雲地方に伝わる「出雲神楽」を保全・再現するために造られた施設です。
雲南市大東町では、正月に行われる「とんどさん」の際に、その年の当屋(神社の祭りなどを世話する家)に「歳徳神」を招いて、家内安全や五穀豊穣を祈願する神楽を舞う習慣がありました。
神楽の宿は、無形の文化財として伝承されてきた神楽をこの土地の貴重な民俗資料として捉え、後世へと伝えることを目的として運営されています。
事前に予約を行えば、有料で神楽の上演を楽しむことも可能です。
出雲神楽とは?
「出雲神楽」とは、出雲地方に古くから伝えられる神楽のこと。
島根県には主に「出雲神楽」、「石見神楽」、「隠岐神楽」の3つがあり出雲神楽は
「七座」「式三番(しきさんば)」「神能(しんのう)」の三種類の舞で構成されており、七座には神事的な意味、式三番には祝いの儀式的な意味、
そして神能には神話や言い伝えをテーマにした演劇的な意味が込められています。
神能の題材となる神話には、ヤマタノオロチ伝説が残る斐伊川流域にまつわるものも豊富です。そうした点からも、雲南市と出雲神楽の深い関わりを感じることができます。
そもそも神楽って何?
神楽という言葉を聞いたことがある方もいるかもしれませんが、神楽とは
神事の際に行われる、神々に捧げる神事芸能のことを言います。
神々を招いて勧請して招魂・鎮魂の儀式をおこなったのが神楽の最初の形と言われており
「古事記」や「日本書記」でアメノウズメが舞ったというのが起源とされています。
神楽には宮中の御神楽と民間の里神楽の2つに分けられており
一般的には里神楽が演じられることが多いです。
疲労7月には神楽大会も!
「神楽の宿」では、毎年7月の第三土曜日夜に、町内の神楽団体や地元中学生による「夜神楽大会」が開催されます。
夜神楽大会では、日本書紀や古事記にも登場する言い伝えなどを題材にした「神能」の演目が上演され、神話の世界をたっぷりと堪能することができます。
神楽の宿 基本情報
◆住所 | 〒699-1205 島根県雲雲南市大東町須賀375-1 |
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◆営業時間 | 9:00~17:00※入館には要事前予約 |
◆定休日 | 月曜日 |
◆入館料 | 高校生以上100円 小・中学生50円 |
◆交通アクセス | 松江バイパス「松江西IC」より車で約15分 |
◆駐車場 | 有 |
◆お問い合わせ先 | 海潮地区振興会 TEL:0854-43-2705 |
神楽の宿の口コミ・評判
神楽の宿を訪れた人たちの口コミ情報を紹介します。
口コミ①
雲南市大東町須賀に〔神楽の宿〕がある。〔神楽〕が上演されることから〔神楽の宿〕と呼ばれる(宿泊施設ではない)。庭に句碑・歌碑が建っている。
引用元:https://maps.app.goo.gl/WCmqDoUriFA1VTHF6
口コミ②
藁葺き屋根が昔の田園風景を思い出し何故かほっとします。
引用元:https://maps.app.goo.gl/rK8RtSjN4aDDjfrAA
口コミ③
団体客が来るとのことで、神楽を観る席の用意などがしてありました。
引用元:https://maps.app.goo.gl/Z2dYCLEzjosKdfB88
神楽の宿周辺の観光スポット
「神楽の宿」の周辺には、さまざまな観光スポットがあります。ここでは、その中でも特におすすめのスポットを3つご紹介します。
須我神社
「須我神社」は、その昔、八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治した須佐之男命(スサノオノミコト)伝説が色濃く残る神社です。
その昔、須佐之男命が妻である稲田姫(イナダヒメ)と共に奥出雲の地に降り立った際、美しい雲が立ち昇る様を見て詠んだとされる歌「八雲立つ 出雲八重垣 つまごみに 八重垣つくる その八重垣を」。
この歌は「日本で一番古い和歌」とされており、そのことから、須我神社は「和歌発祥の社」としても有名です。
また、須我神社には、古くから本社と奥宮の両方を参拝する「二宮言詣り」の習わしがあり、本社と奥宮を二宮言詣りすることで、良縁結び、夫婦円満、子授けの御利益を受けることができるとされています。
◆住所 | 〒699-1205 島根県雲南市大東町須賀260 |
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◆交通アクセス | JR「出雲大東駅」から徒歩で約20分 |
◆お問い合わせ先 | TEL:0854-43-2906 |
八雲山
「八雲山」は、松江市八雲町との境界にそびえる山です。「出雲国風土記」に登場する須我山の主峰であり、須我神社の奥宮とされています。
その昔、須佐之男命(スサノオノミコト)がヤマタノオロチを退治した後、稲田姫(ヒナタヒメ)と共に宮造りをされたという伝説が残されており、いにしえより奥出雲に伝わる神話の息吹を、色濃く感じることができるスポットとして人気です。
標高426mの山頂には展望休憩所が設けられており、晴れた日には大山、三瓶山、宍道湖、島根半島、さらには隠岐諸島までもを一望に収めることが可能です。
また滅多に見ることができない雲海も条件が揃えば見ることができるため、神話の故郷の幻想的な姿を眺めることができます。
また、山の中腹には大・中の夫婦岩や、いの子岩などの巨岩が祀られており、例年8月22日には例祭が行われます。
◆住所 | 〒699-1205 島根県雲南市大東町 |
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◆交通アクセス | JR「出雲大東駅」から車で約25分 |
◆駐車場 | 有 5台 無料 |
◆お問い合わせ先 | 雲南市観光協会 TEL:0854-42-9770 |
光明寺
大竹山の中腹に位置する「光明寺」は、奈良時代から平安時代に創建された出雲三十三観音霊場第七番札所の古刹です。春には桜、秋には紅葉の名所としても知られ、一年を通じて多くの参拝者や行楽客が訪れます。
1000年以上前に鋳造(ちゅうぞう)され、明慶元年(1942年)に光明寺に懸けられたと伝えられる「朝鮮鐘」は、国の重要文化財に指定された寺宝です。また、境内の観音堂には県下最大といわれる十一面観音像が安置されており、人々の信仰を集め続けています。
◆住所 | 〒699-1123 雲南市加茂町大竹292 |
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◆交通アクセス | JR木次線加茂中駅から車15分 |
◆お問い合わせ先 | 光明寺 TEL:0854-49-6565 |
まとめ
「神楽の宿」の基本情報や口コミ情報、周辺の観光情報などを詳しくご紹介してきました。
出雲地方に伝わる神話などをテーマにした「出雲神楽」を、神楽の上演などを通じて身近に感じられる神楽の宿は、島根県を訪れる際に立ち寄ってみたいスポットの一つです。
島根県・出雲地方にご旅行をされる時には、こちらにご紹介した内容を参考に、ぜひ神楽の宿を訪れてみてください。